もっとも醜く、もっとも美味なる桃『ハネージュ』登場

もう桃はわちゃわちゃ入ってくるわ葡萄も色々ごった返しているわのミッドウェイ海戦時の赤城の甲板のような漂流岡山。
でもせっかく桃が揃っているので来季に向けての写真を撮っておく。
まずは白麗。白くて麗しいまことに岡山の桃らしい桃。


普通の桃とは逆で木についている茎の側から熟れていくので表面を見ると熟れてなそうだけどじつは熟れてるトリッキーな桃。
味は安定していて甘くて美味しい。渋が出にくいのも良い点。
お盆前の品種として定着している安心の品種。
表面にほとんど赤みがささないのでピントが合わせづらい。
そして大玉自慢で迫力満点の『おかやま夢白桃』


これで1玉500グラムだから一般的なギフト桃の倍ほどの大きさ。

かぶりつけば口いっぱい甘い贅沢。
続いては『もっとも醜くもっとも美味なる桃』の『ハネージュ』


見てのとおりで見た目はバーナーで炙ったようにボロボロ。こんな桃一般的な市場流通で販売できるわけがない。そりゃこんなん納品したら量販店も百貨店も怒るよ。


でも味は糖度20度前後のとんでもなく甘い桃。桃の最高ランク『ロイヤル』の糖度は12度、それより8度も高い信じられない甘さ。20度の糖度は葡萄の中でも特に糖度が高くて人気の『シャインマスカット』とほぼ同じ。
しかもこの『ハネージュ』。甘いだけではなくて強烈な甘さの影でじつはしっかり酸味と雑味があり、味の奥行きがまた絶品。味は最高見た目ボロボロの対比が最高にドラマチックじゃないか。
しかもこの『ハネージュ』。2年前に理由不明の病気にかかってほぼ全部枯れてしまって『岡山の桃 全部食べ尽くし』のマニアックコースからもドロップしてたんだけど、生産者の中島さんが唯一残してみた1本が無事に育って収穫した桃。ストーリー性も抜群。
こんな桃も岡山にはあるのです。
やや日が陰ると出荷場はこんなファンタジックな雰囲気に。

よく言えばなんとなくフェルメールっぽいし悪く言えばボロくて薄暗い蟹工船的なブラック企業。こんなローテクな出荷場から全国にお届けしているのです。