葡萄作りの達人吉田さん。今年も大房。
とんでもない大房で、にもかかわらずすごく味が乗ってるぶどうを作る葡萄の達人の吉田さん。
今年の状況を聞きに行く。と言うか『今年はシャインマスカットの味の乗りがぼっけぇ早ぇからもうそろそろ収穫するで』と突然言われたので見に行く。普通9月中旬からだよね。1ヶ月早いよ。
高梁川のすぐ脇にある吉田さんの葡萄畑。
だから昨年の水害では水浸しになって葡萄の甘さは乗らないし渋みは抜けないしで大変な目にあった。それもこれも吉田さんの特殊な葡萄のため。吉田さんの葡萄畑は畑と言っても正しくは土ではない。深く掘り下げた地面に完熟した牛糞の堆肥と藁屑を混ぜたものを毎年敷き詰める。1年経つと全体に下がるのでまた同じものを重ねる、この繰り返し。こんな葡萄作りは教科書的にはまったくの間違いで、農業普及指導センターの仲の良い指導員いわく『良い子は絶対マネしちゃダメ!(特に新規就農者)』とのこと。
こんな特殊な葡萄畑なので土(のような完熟堆肥)はスポンジのようにふかふか。じっさい靴が5ミリほど沈む。そのスポンジ状の土が災いして土の中の毛細血管のような若い根が傷んで昨年は甘さが乗らず渋も抜けなかった。
でもそんな教科書どおりではない育て方だからできる教科書どおりでは全然ない葡萄がコレ。
皮は正直薄いわけではないけどそれを補って余りある粒の迫力と味の濃さ。
ちなみに並んでるのが量販店で買ってきた岡山県産シャインマスカット。
同じ品種に見えないし前後にずらしているように見えるけどそんなことなくて同じ品種で同じ距離。作り方が違うとここまで違う。この量販店のシャインマスカットを見て吉田さん『これでえぇんなら話が早ぇのう、わっはっは~~(笑)』いや良くないですから。
ついでに隣の『桃太郎ぶどう』のハウスも見に行く。
昨年特に被害を受けたのがこの『桃太郎ぶどう』。根が修復されているかどうかわからないので今年はほとんど注文を受けてない(特に大房)。
今のところものすごく立派に育ってるじゃないか。
こちらの収穫時期は約1ヶ月後。それまで着実に育ってくれますように。