社長のレシピ 第三回 『ブリ大根』

ブリ大根

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春大根が美味しい季節になってまいりました。
『岡山野菜カタログ』では岡山市牧石地区の秋山さんの大根をバンバン扱ってます。この秋山さん、大根も人参もサニーレタスもパクチー(!)も作る万能生産者、しかもどれも品質のレベル高くて量も多い。毎日約600本ほどの大根をコンスタントに出してくれるので大助かりです。

さてこの秋山さんの大根を使って作る『ブリ大根』。地元のスーパー新鮮市場『キムラ』に行けば似たような感じでハマチとカンパチがあったけどここはやはり名前通り『ブリ』で行くべきだろう、『ブリ大根』なんだから。
鮮度抜群、1.2キロ入って398円。カンパチだったら298円だったけどそんなセコいことは言いっこ無しだ。

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まずはブリを食べやすい大きさに切る。
いきなり難関、ブリの背骨万能包丁では全然切れません。当たり前だけどあんな大きな魚の背骨だからして硬いのな。
よくよく考えるに力技ではおそらく包丁の方が折れるくらいに骨が硬いので、あまり期待もせずに骨の継ぎ目の部分を切ってみることにする。
『ストン』
あら簡単に切れるんだ。魚屋さんとかだと出刃包丁でバキバキ切ってるイメージあるけど家だと危ないし部屋中に骨が飛び散るよ。

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続いてブリの両面に塩をすり込む。
・・・困った。
参考にしているレシピ本は1回のブリの量は400グラム、食欲の皮が突っ張ったミーが買った今回のブリは1200グラム。塩を振るにも1200グラム分のブリを広げるほどのスペースがない。
何回かに分けて作業すればよいのだろうけど、なんつうの、魚のにおいがついた手で本さわったりipadさわったりテレビのリモコンさわったりしたくないじゃん。できれば一発で作業を終わらせたい。不精なんだから仕方がない。
結局狭いマンションの流し台全体を使ってブリの塩を振ることに。効率がいいんだか悪いんだか。

 

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ブリのアラを次の作業に向けて一旦ザルにまとめる。

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もうこのまま塩味のブリの刺身でよくないか?もうすんごく美味しそうなんだけど。
でもそれでは野菜が全く出てこない。基本自社の野菜を販売するためのブログなのに野菜が登場しないレシピになってしまうので心を入れ替えて『ブリ大根』に軌道修正。
続いてたっぷりの湯で15秒程度煮る。

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1.2キロのブリを鍋に投入するだけで15秒をはるかに超える時間がかかっているわけだけど、最後に入れた切り身から15秒としよう。長すぎるのは問題無いだろ。

それにしてもなみなみ過ぎないか。性格の無計画さが料理の無計画さに繋がってますわ。
またザルに取る。

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そしてイオン様で購入した利尻昆布と築地で買った鰹節を1200ccの水で煮て出汁を取る。

 

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けっこう水が多いのでお茶パックにギュウギュウに詰めた鰹節を2つ。なんか出汁多いほうが美味しそうじゃない。
沸騰させた昆布&鰹節の出汁、ちょっと醤油を垂らして試飲。
美味いんじゃないか?やっぱ日本は出汁文化だよ。もうブリも大根もいらんわ・・・と言うわけにはいかないので残りの素材、野菜屋にとってのメインディッシュ『大根』の加工。

 

まず皮を剥く。

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薄く剥くスキルなんて無いわけだけど、厚めに剥くのがコツらしいのでこれ幸いと厚く剥く。
横に厚さ5ミリ程度に切ってこんどは縦に180度の分度器のような形、イチョウ型にまっぷたつに切る。

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そして難物、面取りをする。
一個一個?全部の角を?包丁で削ぐの?めんどくさいよ、本当に。
でも『味のしみ方が違います』とか言われるとやらないわけにはいかないよ。なんかプロっぽい感じにもなるし。
いろいろ試してみると、これ人それぞれだろうけど、面取りは手前に引くより奥に押すほうがミーにとっては簡単と判明。いいんだよ削げりゃなんだって。

 

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下手くそに削いだためにまな板に散乱する大根の角。これだけでなんか別の料理ができるんじゃないかと思えるような量だわ。そうでなくてもブリに比べて分量少なめな大根がますます減ることに・・・。
『ブリの煮付け、大根入り』になりそうな予感。

続いて生姜ひとかけらを千切りに。
そしてすべての素材を圧力鍋に投入。水・酒・醤油・みりん・砂糖で味付けする。

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あとは圧力鍋の力を借りて、圧力かかって5分で完成!
三つ葉をちらして出来上がり、それにしてももう完全に『美味しいブリの煮付け(大根入り)』ですわ。

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さてそれではさっそく食してみれば・・・色は若干薄いけど味はしみしみ、それに明日になったらもっとしみてる予感。ブリだけで1.2キロもあるんだし、絶対明日まで残ってます。
鮮度が良いからかブリのくさみは全くナッシング。生姜いらないんじゃないか、これ。
探して食べる希少な大根は完全にブリの味がしみてて美味。岡山市牧石地区の畑で秋山さんが心をこめて作った大根だけにその味はまさに太陽の恵みが(以下略)

地味だけど手間がかかる『ブリ大根』、でもやはり手間かかってるだけあって味の満足度高いです。
『ブリ大根』がしみじみ美味しく感じるような歳になったのだなぁと感じつつ
採点は75点

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