何事も計画が大切。
他の産業と比べて農業が異質なことはいろいろあるけど、特に感じるのが栽培へ向けて計画性が乏しいこと。
『今年は裏の畑が3反ほど空いとるけぇ去年はぼえれぇえぇ値になっとったレタスでもつけてみようと思うとるんじゃ』
とレタスを作る。みんな同じことを考えるから相場が下がる。この繰り返し。
広島のマツダの工場が『鉄板がお多めに余ったけぇデミオを1万台ほど多めにこしらえてみたんじゃ』とは言わない。
絶対に。
もちろん農業がこうなっている理由はある。
いわゆる一般市場流通は出来たすべての農産物を引き取る原則だし、マーケットのことなんて考えずにとにかく作ることだけ考えさせていたのが過去の農政。
1980年代までは農家が自分で米を販売しよう(自主流通米)とすると『ヤミ米』と称してバリケードを張って出荷をやめさせようとしてたじゃないか。
それを今になって急に『農家一人一人が消費者感覚を持ちましょう』と言われたって『何勝手なこと言ってんだ』としか思えない。
けど現実として今現在の生産者さんが儲かる農業をするためには必要数量を栽培してきちんと販売する視点が不可欠ではある。
そんなわけで就農1年目のあかいわ市の山本くん。今年はナスと春菊を出してくれましたが来年はもっと栽培量を増やしてほしいので話し合い。
ナスと春菊はそのままに、今年はピーマンを量作ることを提案。
6月末から10月中旬まで最大日量50キロ。2日に1回取りに行くので毎回100キロ。これを原体で出荷してもらえれば売り場の必要数量の予測からきちんと全部適切な価格で買うことができる。はず。
そんなわけで農家さんとの年間計画は、これからの農業にとってとても大切なことではないかと思っているのです。